MP-66 アイアンの製品評価
<製品概要と評価>
ミズノから発売されているMP-66 アイアン。
1.このアイアンの開発テーマ・概要
製品コンセプトは、ツアープロにより追い求められた打感・和顔の形状。それに加えて、やさしさの進化が成し遂げられた軟鉄鍛造のアイアン。
球を包むこむようなイメージをもちやすくなっている和顔のヘッド形状は、ミズノのクラフトマンにより監修されており、コンパクトでありつつも大きなスイートエリアが実現されている。つまり、やさしさが意識されたアイアンとなっている。
製法素材面にもこだわりが見られ、不純物の少ない厳選素材が仕様され、特許のグレインフローフォージド(鍛流線鍛造)製法が採用されることで、フィーリング面でも打感と打音の心地良さが生み出される。
2.聞き慣れないフェース形状を表す和顔とは?
今回のMP-66アイアンの開発のアプローチとして、日本のツアープロからの要望がインプットとなり、それを反映したクラブとするため、ミズノ社のクラフトマンにより形状が監修されている点が大きなポイントとなっている。つまりは、使う側のプロと作る側のプロがダイレクトにつながって生み出されたモデルということになる。
和顔の形状のポイントとして、ネックはまっすぐになっており構えやすくなっており、アドレスの際にボールを包み込むイメージが持てやすくなっている。
3.拘りぬいた素材と製法
通常、ゴルフクラブの拘りの観点としては、初速、スイートスポット、慣性モーメント、やさしさといったキーワードが並ぶが、今回のMP-66アイアンでは、素材・製法という言葉が上げられており、品質に細心の注意を払う食品業界のような拘りと心遣いが感じられる。
まず、素材面では、S25CM(1025E)が使用されている。普段から素材に注目しているゴルファーであれば、「ん?」見たことあるぞ、と思われるかもしれないが、通常使われるのは、「S25C」である。これを厳選した高品質低炭素鋼がS25CM(1025E)となり、従来の軟鉄素材に比べると、不純物(リンやイオウ等)がJIS規格の約半分にまで抑えられている。
では、この不純物の除去がどういった効果を生み出すかというと、素材を選択して用いるからにはその理由があり、その追い求めた理由、つまりは効果が大きく発揮されるということになる。具体的には、響きが長く澄みきった打音がもたらされることになる。
次に製法に目を向けると、世界特許のグレインフローフォージド(鍛流線鍛造)製法が採用されている。これは、丸棒の状態からフェースとネックが一体成型でつくりあげられる。これによるメリットとしては、ヘッドからネックまで分断がないことになり、金属組織のフローに途切れがなく一方向に続く。
4.MP-66のやさしさ
MP-66の開発キーワードの中に、やさしい軟鉄鍛造アイアンといった趣旨の表現が見つかる。このやさしさについて、2012年に発売されているMP-64アイアンと比較してみよう。
まず、キャビティ部分については、より深くなっており、トゥヒールウェイトになっている。そして、球を潰せる打感をもたらすために、打球部の裏の面はより肉厚になっている。これにより、MPシリーズならではのコンパクトなヘッド形状でありながらも、スイートエリアの拡大が実現されている。
<素材・製法>
素材:マイルドスチール(S25CM)
製法:精密鍛造
仕上げ:ニッケルクロムメッキ・ミラー仕上げ
原産国:日本
<スペック情報>
番手 3 4 5 6 7 8 9 PW
ロフト角(度) 21 24 27 30 34 38 42 46
ライ角(度) 59.5 60 60.5 61 61.5 62 62.5 63
バウンス角(度) 2 2 2 3 3 4 5 6
FP(mm) 3.1 3.3 3.5 3.7 3.7 3.8 3.9 4
長さ(インチ) 38.75 38.25 37.75 37.25 36.75 36.25 35.75 35.25
<標準シャフト>
モデル ダイナミックゴールド
硬さ S200
シャフト重さ 129g
調子 手元
クラブ重さ(5番) 429g
<販売情報>
アイアン6本セット(5~9、PW):114,000円+税
販売開始は2016年9月16日。初年度の販売目標は1万セットとされている。