TRIPRINCIPLEユーティリティーの製品評価
<製品概要と評価>
ヨネックスから発売されているTRIPRINCIPLEユーティリティー。
1.名誉教授が発案!異色のモデル
TRIPRINCIPLEユーティリティーは、ゴルフクラブの世界では異色の存在かもしれない。通常、クラブのコンセプト作りは用品メーカーにより行われ、その他の人物が関わるケースとしては、ニーズの彫り起こしでプロゴルファーやアマチュアゴルファーへのヒアリングが行われたり、技術面の監修で学者や専門家が加わるという形が一般的ではないだろうか。ところが、このTRIPRINCIPLEユーティリティーは、発案そのものが福岡大学名誉教授、清永明氏によるものとなっている。
2.8番アイアンの感覚で180ヤードを飛ばす
大学名誉教授の発案したクラブがどのようなクラブなのか。開発コンセプトとして考えられるキャッチコピーをプレスリリースから拾ってみると、「常識にとらわれない新設計でアマチュアゴルファーが苦手とする180ヤード前後の飛距離をやさしく狙える」とされている。さらにメーカーの製品紹介ページでは、180ヤードを”8番アイアンの感覚で振る”と述べられている。
180ヤードを8番アイアンとはどのような感覚というと、まず一般的な8番アイアンの飛距離から考えると通常は120~130ヤード程度。180ヤードというと、当然、ウェッジでポンと載せるような簡単な距離ではないが、8番アイアンぐらいの感覚で挑めるのであればかなり気楽になる。ではその夢のような感覚はどうやって実現されているのか?このクラブには気になる仕掛けが3つ施されているので順に見ていこう。
3.スコアライン
TRIPRINCIPLEユーティリティーでは、新設計の3Sスコアラインが採用されている。3sとはSlanted Spin Stabilizerから取ったもので、傾斜(Slanted)したスコアラインにより、スピンが安定し、飛距離のばらつきが抑えられるという仕組みだ。斜めのスコアラインがどのようなメカニズムで効果を発するのかは不明だが、ドライとウェットの状態で飛距離の試験において、飛距離のバラツキが少ないという結果がメーカー公式ページで公表されている。つまり、ライの状態に飛距離が左右されないということだ。
4.ヘッド形状
このクラブを見た瞬間に、恐らく殆どの方が普通ではないポイントに気が付かれたのではないかと思われる。それはクラウン中央部。ここにが凹ませられている新らしい形状となっている。これによって、重心を下げる効果が生まれることは想像に難しくない。そして、クラブの重心軸がフェースセンターに配されているため、ミスも軽減される。
5.シャフト重量逆フロー設計
通常、飛距離を伸ばしたい場合、低重心設計、重ヘッド、ソール面へのウェイト配置といった、重さを増すことが求められている傾向にある。ところがこのモデルでは、番手が上になるほどシャフトの重量が軽くなっている。軽いほど振りやすさがアップするため、ヘッドスピードが上がるという仕組みだ。
実際、フレックスRで比較してみると、3番で48グラム、5番で58グラムと10グラムの差がある(Sでも差は同様に10グラム)。
<素材:製法>
ヘッド素材:ステンレススチール、マレージングフェース
<スペック情報>
番手 ロング(♯3) ミドル(♯4) ショート(♯5)
シャフト硬さ R/S
ロフト角(°) 20 23.5 27
ライ角(°) 60.0 60.5 61.0
フェース角(°) 0.5°オープン
体積(ml) 102 98 93
<標準シャフト>
シャフト名称 WFS 300-U
調子 中調子
バランス D2
クラブ長さ(インチ) 41.25 40.25 39.5
<重心設計>
重心高(mm):13.1
重心距離(mm):36.1
重心深度(mm):30.4
フェース高(mm):31.0
<販売情報>
販売価格:オープンプライス
発売開始は2016年2月。