ゴルフクラブの性能を左右する大きな要因の一つに、重心設計が挙げられます。重心設計は、重心位置をどこにするかを意味し、前後・上下・左右の動かし具合では弾道に大きな影響を与えます。
本記事では低重心・高重心を決定づける「低重心率」について取り上げます。
ゴルフクラブに低重心設計が多い理由
ゴルフクラブのメーカーによる説明を見ますと、ドライバーでもアイアンでも低重心という言葉が頻繁に登場します。これは、低重心にすることで、ヘッドの挙動・弾道に様々な効果が生み出され、多くのゴルファーにとってプラスに働くことが多いと考えられているためです。
主な理由は、重心を低くすることでインパクトの際にヘッドが上を向きやすく、打ち出しが高くなること、また、アイアンの場合は重心を下げることで、芯が実打点に近づくことなどが挙げられます。
低重心と高重心はどうやって判断するか？
ではゴルフクラブを低重心か高重心か判断する方法ですが、数値的な基準や境界線のようなも公式なものはありません。
そのため、基本的には商品のホームページやゴルフショップの方の説明で確認するのが一番簡単な方法です。
重心の高さについては、メーカーによってはホームページに掲載している場合がありますので、ゴルフクラブに詳しい方は重心高を見て、ある程度、判断が可能です。
しかし、低重心か高重心かは、「重心高」ではなく「低重心率」で判断するのが適切です。
低重心・高重心を判断する「低重心率」とは？
低重心率とは、フェース高さに対する重心高さの割合です。求め方からも分かる通り、フェースのどれぐらいの高さのところに重心があるかを数値で表していまして、0.5であれば真ん中を意味します。
この数値についても、低重心と高重心を切り分ける公式な基準はありませんが、一般的に0.6（60％）以下のものを低重心と呼ぶ傾向にあります。
重心の位置が弾道に与える影響
打ち出し角
重心が低いヘッドの場合、インパクトの際にヘッドが上を向きやすくなりますので、打ち出し角が高くなります。
球を上げて飛ばしたい方には低重心、弾道の高さを抑えたいに方は重心が低過ぎないヘッドが好まれます。
スピン量
ヘッドがボールにインパクトすると、ギア効果という物理作用が働きます。芯より下側で捉えると、バックスピンを増やす方向に作用し、芯より上側で捉えると、その反対に作用します。
低重心であるほど、芯より上側（または下過ぎない位置）でボールを捉えやすくなりますので、バックスピンを抑える効果が働きます。弾道は吹け上がりが抑えられ、ランも出やすくなります。
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