出典:naver
国内の女子ゴルフの優勝者で日本人選手の名前が常連だったのは一昔前。そういった印象を抱く女子ツアー観戦者は少なくないのではないだろうか。
当記事執筆に至ったのは、大王製紙エリエールレディスオープンでイ・ボミが今期7勝目を挙げた日であり、上田桃子が国内ゴルファーに警鐘を鳴らしたことにも起因する。
「私も含めて危機感が足りないと思う。もっと危機感を持ってやらないといけない。若い子たちも、もっとやれるのに現状に満足している選手が多いと思う」
「この基盤は藍ちゃんが作ってくれたけど、それに乗っかっているだけじゃダメ。自分の色を付けられる人が出てこないと、これを続けるのは難しい」
自身や国内の若手層への思いを語りながらも、イ・ボミの強さにも言及している。
「自分が勝負出来る状態じゃないことは分かっていた。60点くらいのショット、パットができれば戦えると思うけど、今年は20~30点が出てしまう。ボミは平均点を下回らない強さを感じる」
フィールドは違えど、松井秀喜は国内では巨人、米国ではヤンキース、野球の世界で最大のプレッシャーを受けるフィールドでプレーし続けたプレーヤーは、持っているもの以上を発揮しようとせず、その時その時の100点を出すことを大事にしてきたと語っていたのが印象的であった。
ボミの平均点というのは、誰しも好不調の波がある中で、不調の中での最高点として60点(平均点)を出せる力量を伝えたかったのだろう。
ボミの領域に達するには、肉体・技術だけではなく、精神力も求められるのは言うまでもない。肉体や技術を平均点以上にするには環境が大事だが、精神力は環境が逆効果になる。そういった意図も上田桃子の警鐘には含まれているように感じる。
ワールドワイドであることはスポーツの分野、大会を開くホストとしてはとても好ましいことではあるが、年間の最終結果は国内ファンが喜ぶものになると、より盛り上がるのは想像に難しくない。